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【生産性向上が鍵!?】日本の不安な未来を読み解く本

2020年6月14日

【 本書の内容クイズ 】

Q:本書で筆者は日本が抱える人口減少・高齢化による総需要減少を、何によって、解決していくべきだと述べているでしょうか

答えは本記事内にあります。

将来が不安視されている日本が抱えている課題について

今後の日本に迫る問題点とは?

本書は、今後の日本に迫る問題点とその解決策について、多数の論文などの科学的なデータを用いながら論理展開し、日本人にパラダイムシフトを促すという内容となっています。

今後の日本に迫りくる問題点とは、人口減少・高齢化です。

またそれに伴う、経済縮小です。。。 


上記の点や、現在の日本を取り巻いているデフレスパイラルの現象を解決するためには、量的金融緩和などの政策では根本的に解決しないと筆者は述べています。

なぜならば、今後、日本は人口増加のスピードが落ちていき、これまで人口増加によって支えてきた経済システムが正常に機能しなくなるからです。

 たしかにアメリカをはじめとする、人口増加によって経済システムを維持できる国では、もし不景気に陥った場合に、量的金融緩和によって、インフレを起こし、経済を活性化させることができると経済学的に言われています。

しかし、日本では人口減少に高齢化が絡む海外でも類を見ない特殊な状況となるため、もはや一般的な他国や過去の成功例を模倣するだけでは、解決しないと筆者は説明しています。

日本の生産性は、世界各国と比較して低い??

 日本の特徴としては、人材評価ランクが世界第4位と高いのに対して、労働者の生産性は著しく低く29位となっています。

(世界銀行のデータ2016年より)本書で筆者は日本は生産性をあげていくことが必要と論じています。 

なぜ日本企業は他国と比較して生産性が低いのか?

日本の企業の生産性が低い理由の1つとして、他国と比較して企業規模が小さい会社が多いことを挙げています。

確かに日本は中小企業大国ですね。。。 

大企業による買収なども進んでいますが、今後はさらに統廃合を進めて、企業規模を大きくすることにより、国内の生産性を高めることが大切だと本書で述べられています。

大企業と中小企業、職場環境の差について

 

設備について

企業規模が大きくなることで、当然ながら、設備が充実します。

このことも本書では、生産性を高める重要な要因となると論じています。

 

労働環境について

企業規模が大きければ出産と育児で仕事を諦めなければならない女性が減り、より働きやすい条件で働くことが可能になります。 

途中で産休や育休で、休暇を挟む事態も生じますが、それでも新しい人材を雇用して、一から教育し直すという、効率の悪いことはしなくて済みます。

私の妻は、育児を機に、正社員ではありませんが、大手保険会社に転職をして、時短で働いています。
前職よりも会社規模が大きく、周囲の育児への理解度も高いようで、急なお休みにも寛大です。

当然ながら人材の確保という点でも、大企業に分があることは言うまでもありません。

 

研究開発について

大企業では研究開発もより盛んになるため、この点からも生産性向上がはかられます。 

大企業で働く日本人の割合は?

従業員250人以上の企業で働くアメリカ人労働者の割合が49.8%なのに対して、日本はたった12.9%だそう。。。

これはかなりの差がありますね。。。

生産性を高めるために有効な対策の一つは?

筆者は国内の市場が縮小・総需要が減少していく中で、有効な対策として輸出をあげており、本書で輸出を行う企業と生産性に関する相関性が高いことも指摘しています。

 

日本国が行うべき経済政策とは?

そして、筆者が本書で再三に渡って述べているのは、国が経済政策として、最低賃金の引上げを強制的にでも行うべきということです。

具体的に他国の実例を用いながら、日本では4~6%程度の引上げが理想なのではとのことです。

なおこれまでは1976年以降3.1%の賃上げでインフレ調整を行うと、1.28%に過ぎないため、これでは生産性はあがらないといいます。 

最低賃金を引き上げることにより、労働者側としては、収入が増え・消費を増やす傾向が高まるため、デフレを脱却していく足がかりとなります。

そして、経営者側としては人件費が膨らむため、国に対する経営者からの反発は強まりますが、企業が倒産しない程度に引き上げることで、企業が人件費が増加した分を補うために躍起になり、生産性を高めるための動きが強まるといいます。  

【クイズの答え】

日本では、最低賃金引上げと生産性を高め、高生産性・高所得経済への移行が必要ということが筆者が本書で最も伝えたいこと。

まとめ

このように日本では、最低賃金引上げと生産性を高め、高生産性・高所得経済への移行が必要ということが筆者が本書で最も伝えたいことかと思います。

そもそも、日本で、特に中小企業などの小規模の経営者は、古い体制を好む傾向があり、新しい価値観を取り入れることを積極的に行われていないような風潮があります。

現状のままでも問題ないという保守的な考えが蔓延しています。

経営者など上層部がそのような体質であれば、企業として生産性は高まりませんね。。。

イギリスでは、強制的に企業に対して、社員教育を行わせるような仕組みがあるそうです。2017年から導入された「apprenticeship levy」(職業実習賦課金制度)というもので、年間の人件費が300万ポンド以上の企業が国に対して税金のようなかたちでお金を納めます。この収めた額については、2年間のうち、企業が人材育成トレーニングとして費やした金額が払い戻しの対象となり、さらにその金額から国が1割加算して、返金されるそうです。つまり人材育成を行った方が、沢山お金が返ってくるので、半強制的な側面があるわけですね!対象の人材育成トレーニングを行わないと、お金返ってこないですからね。。。

この政策によって、人材育成が促進され、国として生産性が高められているということです。 ちなみに日本では都道府県によって、最低賃金が異なりますが、イギリスでは全国統一のようですね。。。

地域によって賃金格差があるので、となると地方から東京に人口が集中してしまうという現象も当然生じます。

このへんも問題でしょうか。 また、最低賃金について日本では管轄が「厚生労働省」に対して、イギリスでは日本でいう「経済産業省」だそうです。

筆者は国が行う経済政策として、「最低賃金の引上げ」を行うべきだと繰り返し述べていますので、この「管轄」については、それぞれの国の最低賃金に対する視点の違いが浮き彫りになっていると言えます。

日本は最低賃金について経済政策としては捉えていないということでしょう。 しかし、日本では前述の通り、人材評価値が世界で見ても高いため、もし生産性を上げるために最低賃金を引き上げても、それに十分耐えられる人材は既にいると筆者は述べています。 

最後に、まとめると、人口減少、高齢化による総需要現象を賃上げによって相殺し、それには生産性を向上させ、付加価値を高めていくべきだということが本書の内容でございました!!!

本書は、アマゾンでの評価も高く、私自身もとても勉強になった一冊だと感じました。

私が最近勉強になるなと感じる本の特徴は、世界各国の実情も併せて学ぶことができ、視野を広げて、私たちが暮らす「日本」について考えることができるということです。特に本書を読んで「日本の生産性が低い」ということを学んだので、自分のビジネスのためにも「世界各国の生産性」について学べるような本も読み漁りたいなと感じました。

ちなみにデービット・アトキンソン氏の書籍は「新・観光立国論」なども評価が高いです。

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