
以前、読んだ書籍「神トーーク」が非常に参考になり、感銘を受けたため、筆者・星渉氏の前作「神メンタル」も読んでみました。
本の内容
「心が強い人」の人生は思い通り。
これが本書のテーマ。
では、どのように強い心を作り、人生を思い通りに進めていくのか?
思い通りに生きる公式
現実(未来)=①目的地×②手段×③メンタル
①目的地
・曖昧ではなく明確に目的地を設定すること。
・目的地から常に目をそらさない(忘れない)ようにする。
②手段
・そもそも手段は目的地が明確に設定されていないとわからない。
・仮に目的地が設定されていたとしても、「今のあなた」では、そこに行きつく手段はどちらにせよわからず、目的地への生き方=手段は見いだせない。
⇒「手段は自分で考えなくてもよく、自動的に見つかる」と筆者は本書で述べています。
③メンタル
・「メンタル」とは、「心」であり、「自己評価」であり、「脳」である。
⇒思考や感情は脳が作り出すという観点から本書では「心=脳」と定義している。
・「自己評価」を高めることが重要
※自己評価について
・自己評価が低いままだと、「自分にはできるわけがない」という発想が先行し、適切な手段を見つけようとしない。
・自己評価が低いと、行動に移したり、実行することができない。
だから設定した目的地に到着するにふさわしい自己評価を作らないといけない。
⇒目的地に到達するごとに、次の目的地の設定と同時に「自己評価」も更新が必要。
あなたが変えるべきは、メンタル=自己評価である。
あなたが変われないのは脳の仕組みのせい?
生きていくうえで、脳が最も大切にしていることは「死なないこと」。
脳は生命の維持を最優先にしているため、あなたが「何か新しいチャレンジ」を使用とすると、あなたが変化しないように、脳が抑制しようとする。
何事もなく生きていられるのであれば、今後、行動を変えたり、余計なことはしないでくれと言わんばかりに。
「不安」や「寂しさ」という感情を生み出したり、「自分にはできない理由」を探してきたり、同じことをして失敗した人の例が目に付くように・気になるようにしてきたり、全力であなたの変化を止めようとする。
この脳が自分の変化を止めようとする働きを心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)という。
自分がなかなか変われないのは、この脳の働きがあるという、事実を知っておくことが重要。
チャンスを察知する能力
人は五感を駆使して1秒間に、およそ2000個の情報を感知しているが、人が同時に認識できる情報の数は、個人差はあるにせよ、8~16個程度。
日常において、脳は、自分にとって、より重要な情報を最優先で認識すべきだと判断していて、例えば、自分が自動車関係の仕事に携わっているなら、街中に走る自動車や、新発売の車の広告やCM、ニュースにより敏感になる。
これが経営者であれば、経営セミナーや、異業種交流会、情報交換会、経営のノウハウ本や動画、ライバル企業の動向、経済ニュースなどにアンテナを張り巡らすでしょう。
脳は、自分自身が思っている、「今の自分」にふさわしい情報だけを認識するように働いている。
つまり、自分に見えているものは、すべて自分の自己評価に基づいているということ。
目指すべき場所の明確化
前述した、「自己評価」について。
自己評価を変えない限り、自分が実現したいことや、手に入れたいことに繋がる、情報やチャンスを察知したり認識したりすることができない。
⇒だから 「自己評価」を変える必要がある。
そこで、まずは、
自分がどこにたどり着きたいか?
何を実現したいのか?
何を手に入れたいのか?
という目的地を明確にすることが重要。
これを明確にしない限り、「自己評価」を設定できない。
※本書では「未来体験シート」というワークを通して、目的地を明確化する方法を紹介しています。
「未来体験シート」で目的地の設定する方法
⇒5年後、3年後、1年後、半年後に実現していたいことを書き出す。
【注意事項】
①必ず完了形で書く・・・例えば「本を出版したい」ではなく「本を出版した」
②必ず測定可能な形で書く・・・「家族が幸せになる」ではなく、「どうあれば幸せなのか?」が測定できる形に。「毎年家族が1週間海外旅行に行った」「子供が生まれている」など。
③制限をかけずに書く
勝手に行動したくなるコツ
目的地を明確にし、「なぜ実現したいのか?」という「やる理由」も明確にする。
そして具体的な「完成図」を用意する。
例えば、ジグソーパズルを完成させるという「目的地の明確化」ができても、「完成図」が分からなければ、パズルを完成させるのには、とてつもない時間と労力がかかるはず。
つまり「完成図」をイメージできないと、自分のやりたいことの実現にとてつもなく苦労する。
人間が得ている情報量の割合は、視覚が87%、聴覚7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%と圧倒的に視覚からの情報を多く得ている。
だから、自分の5年後、3年後、1年後、半年後の完成図を「視覚に訴える」ことが、脳に対して最も有効なアプローチである。
要するに、勝手に行動したくなるコツは「視覚に訴える」こと。
そのために、自分の将来の実現していたいこと、手に入れたいことの画像を集める。
内面的な部分であれば、それが実現できている「理想とする人」を定めて、画像を集める。
例えば、「幸せな家庭を築いていたい=家族と海外旅行を当たり前のようにして、みんな笑顔で暮らしていたい」であれば、「家族 笑顔 リゾート」で検索して画像を収集する。
集めた画像は1日1回でいいので、毎日見る。
毎日見る理由は、今どこに向かっているのかを忘れないため。
⇒脳に繰り返し、自分の目的地が視覚情報としてインプットされ続けることで、記憶を司る脳の部位である海馬が重要な情報と認識してくれる。
次に、海馬について記します。
海馬をだます
脳の中で記憶を司っているのは「海馬」という部位。
海馬が、自分にとって重要だと判断した情報は記憶に残すように、脳の中の大脳皮質という場所に送られて長期間保存される。
「忘れない」「忘れる」は海馬の判断次第ですが、前述の通り、「死なないこと」のために役立つ情報が、何より最優先で記憶として保存される。
なお、海馬は「生死に関わらないことであっても」重要だと勘違いを起こして、記憶として長期保存してくれる情報もあり、それは「何度も繰り返し、脳に送られる情報」である。
自己評価を書き替える
設定した目的地にたどり着くために、自分の自己評価を書き替えて、チャンスをものにできるようにする必要がある。
まずは現状を把握し、現実の自分がどんな人物なのか、制限時間10分間で、50個以上書き出す。
「私は男性です」「私は会社員です」「私は人の話を聞くことが好きです」などでも良い。
そして、これらの書き出した自己評価が、目的地に到達した時の自分と同じ自己評価になっているかを確認する。
例えば、前述の未来体験シートで「1年後に本を出版した」と書いたとすれば、1年後に自分が本を出すことができていたら、その時点で自己評価は「私は本を出した人である」「私は作家である」となるはず。
ここで筆者が伝えたいことは、現時点では本を出版していなくても、自己評価は「本を出版した人」「私は作家」という自己評価を持つ必要があるということ。
脳は、ここで生じるギャップを埋めるために必要な情報を集めるように働く。
今この瞬間を、今のままの自己評価ではなく、未来の自分の自己評価で生きることがポイント。
感想
本の内容は、上記で半分程度。
終盤には感情をコントロールするメンタルテクニックも紹介されています。
続きが気になる方は、是非、読んでみて下さい。
全体的には、自分の将来の目標・夢を叶えるためには、どうしたら良いのか、心理学や脳科学の観点から解き明かしてくれている一冊になっていました。
「未来体験シート」や「自己評価分析」などのワークを行い、まるでセミナーに出席しているような参加型の前のめりになって深入りできる書籍でした。
ワークもそうですが、読者への問いかけが随所であり、読者がそれに答えることによって、考えながら深くインプットしていける構成になっているのが、とても素晴らしいと感じました。
関連書籍
星渉氏の最新刊。
「神メンタル」同様に、実際に読者が自分で考えてみる筆者からの質問・問いかけの箇所が随所にあり、読者が本の内容に入り込みやすいような工夫がされています。
科学的な裏付けもあり、とても読みやすい構成になっています。
星氏は、今後、新刊を出版する度、どんどん部数が上がっていくんではないでしょうか。
【ブログ記事へのリンク】神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り